人と違うということで居場所を失った主人公が、居場所を見つけるまでの物語。
主人公、行野光一は当たり前の人とはまるで違っていた。
その、人と違うということが、光一に居場所を失わせた。
それで生まれ育った島に帰ることになったのだった。
島の学校、「琴が丘」学園に通いながら、光一の新しい生活がスタートする。
人との出会い。そして交わり。
目には見えない透明な壁の向こう側で。
光一は「居場所」を探していく。
そこは、人と違うという事が罪ではない。
そして、一人では作れない。
――そんな場所。
共通ルートが長く、個別ルートに入った後もさほど違いのないメリハリの無い展開が長く続きます。
そのため、プレイ時間はかさみますがボリュームがあるのとは違う感じです。
設定にファンタジー要素があり、世界は普通の現代世界、そこに認知されていない"ファンタジー"が潜んでいることになります。
このゲームでもっとも特徴的なのが主人公。
設定のせいで、気分が悪くなるほど酷く歪な考え方をするので、それに耐えられるかが問題です。
シナリオは恋愛自体の重要性は薄く、それによって得ようとすることに重点が置かれています。
泣き所は作ってあるようなのですが、主人公やヒロインに感情移入がし辛いため、グッと来るのはごく僅かです。
ダリダリのお気に入りは紗由です。
シナリオの評価が圧倒的で、唯一と言っていい心に響いたヒロインです。
他のヒロインはどうにも好きになれず、サブキャラのひなやネンなどの方が上です。
ルート中のシナリオでは主人公が自分の問題でいっぱいいっぱいだったので、アフターストーリーで普通の恋愛を補完してくれればまた違ったと思うのですが……。
シナリオの練り込みが甘く、設定を活かしきれていない。
恋愛ゲームとしても、テーマを訴えるゲームとしても中途半端になってしまっている、という印象を受けた作品でした。
テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム