突如、残り3ヶ月という世界の終末を宣告された中で生きる意味を追い求める人間の強さと弱さを描くADV。
四方を海に囲まれた、自然豊かな小さな島。そこに暮らす主人公・葦野昴(あしやすばる)は、いたって平凡な18歳。彼は友人たちと共に島の小さな学園に通い、運動会に海水浴、島の老人が夢見る温泉堀りの手伝いと、騒がしくも平穏な日々を過ごしていた。
誰もがこの平穏な日々がいつまでも続くと信じて疑わなかったある日、突然の宣告によって世界の終わりが告げられる。小惑星の衝突とそれに伴う地球規模の大災害。それは世界中を混乱状態に陥らせ、この小さな島にも徐々にその波紋は広がっていく。
あまりにも唐突な世界の終焉に戸惑う主人公たち。彼らは残された僅かな日々の中で何を想い、何を得るのだろうか?
ヒロイン4人のルートの他に、ノーマル(個人的にはトゥルー)ルートとアフターがあります。
世界の終わりを知った主人公や周りの家族や友人たちが、どうそれを乗り越えていくかを描いています。
一部の個別ルートは少々主人公の鈍感さとヒロインの主人公依存が激しく、鬱陶しさも感じます。
ですが、ノーマルルートからアフターへの流れは素晴らしく、この世界が終わってしまうことが非常に悔しく残念でした。
人の心は、綺麗な部分から醜い部分まで表現されていました。
あくまで本題は"人"なので、隕石など世界の終末自体に関してはほとんど語られません。
雰囲気作りに力が入っていてとても良く、また"I've"の音楽もそれを一層引き立てています。
重たい題材の割には、沈みすぎず、かといって軽くなりすぎずの絶妙なバランスでした。
ダリダリのお気に入りは、御波です。
ヒロインの中では一番光ってました。
シナリオも個別の中では一番良かったです。
他は実を言うとヒロインよりサブキャラの方が存在感があったり。
じいちゃんは言うまでも無く、主人公の父母も息子を思う気持ちがありありと感じられます。
そのなかでヘタレなのが陽(夕陽・朝陽の父)ではないかと。
まあ、悪い人ではないんですが父親としてちょっと……。
朝陽の某特徴に関しては、「ありえね~」とひとしきり笑った後、スルーで(笑)
ノーマル~アフターとシナリオライターの健速氏の世界を感じられ、涙ながらにプレイしました。
世界がこんなにも美しかったこと、綺麗な人の心があることを教えられました。
"どこまでも、いつまでも。"
この世界をあなたにも。
テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム