「To Heart2」のサブキャラたちにスポットを当てたアナザーストーリー。
物語の舞台は「To Heart2」より数ヵ月後の秋。
今回、メインに取り上げられたキャラは、まーりゃん先輩・吉岡 チエ・山田 ミチル・菜々子・河野 はるみ・シルファ・小牧 郁乃の7人です。
この他に、本編とは別にこのみ・環の2人のシナリオを収録。
原画は前作に引き続きみつみ美里氏、カワタヒサシ氏、甘露樹氏が担当。
それは語られなかったもうひとつの季節……。
シナリオ1本1本は余り長くないのですが、ヒロインが多いので全体でそれなりの量になっています。
基本的には前回と同じ、マップで場所を指定して、そこにいるヒロインとのイベントを進行させていくという流れです。
ただ、郁乃だけは完全に別に用意されています。
郁乃シナリオは郁乃視点での前作の愛佳シナリオのアフターストーリーになっています。
全体的にシナリオは薄く、キャラの良さだけの印象が強いです。
キャラの良さはあるので、それを活かし切れないシナリオが残念です。
雰囲気はノリの良さを求めたコメディ色が強くなっています。
ただ、場違いな品の無いネタが多かったりなど、個人的には成功したとは言い難いと思います。
また、そのキャラクターの個性を意識的に強調しているのか、少し違和感を覚えることもあります。
特にヘタレヘタレと言われた主人公は顕著で、この作品中ではヘタレを通り越して頭が悪いんじゃないかと思ってしまうほど。
ダリダリのお気に入りは、シルファとちゃる。
シルファは、あの言葉遣いといいツンデレ具合といい、最高です。
ちゃるも意外性があって良かったです。
まーりゃん先輩は……シナリオがもうちょっと何とかならなかったんでしょうか。
正直、意味不明。
郁乃も、シナリオが愛佳アフターなので当然貴明は愛佳と……。
切なさは感じたんですけど、やっぱり幸せを感じられなかったのが残念です。
春夏さんも良かったです。
これも人妻なのでハッピーエンドというわけにはいきませんけど。
シナリオライターが今回貴明のヘタレっぷりをネタとして使っていますが、正直笑えませんよ。
シリーズ新作なのか、ファンディスクなのか位置付けに困る作品。
新作と言うにはシナリオが安易に作られ過ぎているし、ファンディスクと言うにはおまけ要素が無く値段が高かったり。
ファンディスク以上新作未満というのが妥当でしょうか。
期待し過ぎると不満が出ますが、軽いキャラ萌えゲーくらいに考えてプレイすれば十分楽しめるレベルです。
だがしかし、まーりゃん先輩の壊れっぷりのダメージは大きすぎる……。
テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム