愉快な三角関係を描いた、学園寮恋愛シーソーゲームADV。
4月は新学期。芸術系の名門、麟徳学園寮Maison luneを、目の端に涙を浮かべながら稲葉徹は見上げている。
時折通り過ぎる女生徒たちからの視線は痛いが、今日に至るまでの日々と比べようもない。
男子校の寮で過ごした目に染みるような過去。おかげ様で、女の子の手なんて握ったことも無いし、同世代の異性と話をした記憶すらない。
そんな徹が出会った2人のさくら。
授業では厳しいが、寮に帰ると母親のように世話を焼いてくれる、桜菜々子。
近寄り難い優等生だが、副部長の使命感からか何かと面倒を見てくれる桐嶋さくら。
この二人、二人きりの時は気のないそぶりを見せるくせに、三人揃うと徹の保護者権をめぐり何かと対立をする。
春。
桜色の季節に出会ったのは世話焼きな二人のさくらと、愉快で悩める三角関係の始まりだった。
ヒロインは主人公2人にそれぞれ2人で合計4ルート。
それに加えて菜々子とさくらのアフターストーリーが収録されています。
三角関係を題材にしたシナリオですが、終始明るい雰囲気で進み、ありがちな鬱要素のある修羅場などはありませんでした。
大きかったのは普通なら嫌煙される優柔不断な主人公・徹に非常に好感が持てた事です。
彼の全力っぷりは見ていて応援したくなりました。
これがあったおかげで優柔不断な主人公にイライラすることなく、ヒロインの焼きもち焼き合戦に萌える事が出来ました。
逆にもう1人の主人公・直樹はのらりくらりとかわして誤魔化そうとするところに若干イライラさせられました。
こちらのシナリオは健気なヒロイン(特に晶)に助けられています。
徹編の三角関係も無理が無いわけではないですが、こちらの三角関係はかなり無理があったように思いました。
直樹と晶の間には確固たる絆があり、くるみには割って入る余地は全く無さそうで。
直樹がくるみを選ぶ理由付けが弱いです。
萌えに関しては晶もくるみも良かったです。
どのヒロインも甘えてくる様は可愛くて萌え度は抜群でした。
ダリダリのお気に入りは、さくらと晶。
さくらは言わずもがな、萌えまくりです(笑)
菜々子シナリオでの様子も切なさが滲み出ていて泣けてきます。
青山ゆかりさん、最高です。
晶と直樹は最初はウザいキャラでしかなかったんですが、シナリオが進むにつれ徐々に好感度が上昇。
直樹編になってからは、直樹の好感度がガンガン下がる(笑)のに対して晶は更に上昇。
若気の至りなんかもありますけど、晶の健気さは泣けます。
直樹がもっと早く男になっていれば。
くるみは徹編でのサブキャラとしての方が活躍している印象があります。
度重なる発売延期という内容以前の問題点もありましたが、焼きもちラブコメとしてキャラ・萌え共に高レベルでまとまった作品。
テーマ:美少女ゲーム - ジャンル:ゲーム